雑さ

文章をもっと雑に書けたら、とよく思う。せせこましくなりがちである。たとえるなら、均整のとれた直方体。そのようなイメージの文章。これはやはりせせこましい。もっと、あちこちに襞があり、トゲや角が出っ張っているような、そういう文章が書けたらと思うのだ。そのためには雑さが必要なのである。しかし、おそらくその雑さ、おそらく有用な雑さと表現してよいかと思うが、それを達成するには、世界を慎重に見分ける眼が必要なのだろう。世界を性質ごとに分類して、階層化して、関連づけるような、そうした思考の慎重さと眼の鋭さが必要なのだろう。